※以下の解説は当ホームページ管理人である八東安の一次創作作品「ドリソス」シリーズに関するものです。実在の名称とは一切関係ありません
・リュウゾウ・タウンフィールド(日系ドリル島国民/純日本人。近為人であるフェズルの生前の名前)
・奥道 進(おくみち すすむ:日系ドリル島国民。近為人であるメドーマンの生前の名前)
・ハルカ・アンダープレイン(日本人。特殊保安対魔法部隊日本支部の隊員。生前のフェズルの元部下)
・唐紅 晴雄(からくれない はるお:日本人。生前のフェズルの親友だった青年。数十年前に既に死亡)
・吉白 信子(きしろ のぶこ:日系ドリル島国民。ドリル島国立研究所のベテラン研究員。ドリソスの主人公パーター・リッシェルを保護した人物で、彼の第二の母親的存在)
…
このように、当方の一次創作作品「ドリソス」シリーズには、日本人であるにもかかわらず人物によって英名を名乗っていたり日本名を名乗っていたりする人物がいます。
また、日系人でも、日本名を名乗る者もいれば、英名を名乗る者もいます。
この違いを説明しようと思います。
まず、「ドリソス」シリーズにおける「日本」いわば「日の丸国(ひのまるこく)」(ドリル島国での日本の呼び方)の立ち位置について説明します。
このシリーズでの日本は、政治的・経済的立ち位置共に現代の日本と殆ど変わりはありません。
しかしながら、超自然的現象や特殊能力を扱う分野では、ドリル島国と長い歴史の付き合いがあるため、非常に重要な役目を担っています。
これがこの作品の世界での日本の立ち位置です。
このシリーズでは、超自然的現象や特殊能力(魔法や超能力、妖力、変化術など)を扱います。
これらは、ドリソスの世界では、「役に立つもの」と捉えられていると同時に「使い方を誤ると極めて恐ろしいもの」とみなされています。
超自然的現象や特殊能力を扱える者、またはそのようなものと深い関わりがある地域あるいはそこに住む者は、人材としてそれだけでも価値を見出して貰える強みをもつ一方、一歩道を踏み外すと恐ろしい事態を引き起こす可能性もあるため、世界的にも常に目を付けられる存在とされています。
そこで、上記のような超自然的現象の暴走の抑制のため、警察等の通常の公安組織のほかに、「特殊保安対魔法部隊」(通称:特安保)という国際公安組織が存在します。
この組織は、世界中に存在する警察等の公安組織では対応しきれない超自然的現象や特殊能力を扱う公安組織で、もう1つの警察のような存在です。
実は、この組織の本部は「ドリソス」シリーズの主な舞台となるドリル島国(とうこく)に位置します。
ドリル島は、地球の長年の歴史、とりわけ先史の時代から、数多くの超自然的現象・特殊能力が生み出された土地としての価値がありました。
変化術(へんげじゅつ)はもちろんのこと、魂技術(こんぎじゅつ:ドリル島国の影の総統と呼ばれる近為人、校灯ヤクハが得意とする術)などの強力な特殊能力はすべてドリル島由来とされています。
また、島の地下に存在する巨大な地域、地下世界(これは通称で、正式には島内では『地下自治区』と呼ばれています)には、あの半永久生命体、近為人(ちかいじん)をも死の淵に落とす巨大な恐ろしいマグマの谷が存在します。
近為人のみならず、多くの種類の人外を復活不能なまでに存在を抹消してしまいます。
ドリル島は、はるか遠くの先史の時代から、世界中のありとあらゆる特殊能力のエネルギーの強大な供給源となっているといわれています。
この歴史を鑑みて、ドリル島国は、面積も人口も他の先進国とはるかに劣る小国でありながら、超自然的現象および特殊能力を使った軍事・公安力ではトップの実力を誇る国という印象を他国に与え、やがて、超自然的現象および特殊能力に対抗できる国際的な公安組織の本部が位置するという国際的にも重要な役割を与えられることになりました。
このとき、第二次大戦が終わって数十年後の出来事でした。
以上の経緯で特安保本部が存在するドリル島国は、世界中にその組織の支部を作る役割も担いました。
この過程で、ドリル島の隣国である日本にも支部を作ることになりましたが、ここで日本政府が、特安保日本支部の設置場所で激しい論争を巻き起こします。
西日本と東日本、どちらに設置するか、という議論でした。
この議論は数年単位の長さで続き、ようやく議論が終結した頃、東日本側に地盤を置く国家権力者(政治家や国家公務員の上の位置にいる者達)が、ある結論を見出して、設置は西日本に譲る、となったのでした。
その理由としては、西日本にはあの沖縄県が存在していますが、ドリル島国はそもそも沖縄県大東諸島の南に位置する国。数千年の歴史で交流のある沖縄県とドリル島国が話を進めていました。
そこで、ドリル島国は、自分たちの国からもアクセスが容易な西日側に日本支部を置きたいという意向を示したのでした。
すると、西日本でも当時から経済力の高かった都道府県、大阪府がこの話に最も前向きな姿勢を見せ、当時多くのインフラ整備を進めていたことに乗じてドリル島国と協議を始めました。
大阪府との協議の結果、ドリル島国は、東日本側の国家権力者にも納得して貰えるような条件のもとに、晴れて大阪府に特安保日本支部を設置するに至りました。
その条件とは、
「西日本在住の日本国民の氏名の戸籍上表記を英名にする」
というものでした。
上の説明では、超自然的現象および特殊能力を扱える者やそのようなものと深い関わりがある地域あるいはそこに住む者は、強みもある一方で、一歩道を踏み外すと恐ろしい事態を引き起こす可能性があり、世界的にも常に目を付けられる存在とされている、と説明しました。
特安保日本支部が設置されることになった西日本は、世界的にも重要な役割をもつ特殊保安部隊という公安組織の支部が立つ地域となり、世界的に注視される地域となりました。
世界的にも目を付けられるということは、世界的に多くの国で用いられている英語を用いるほうが円滑にその者たちや地域の情報を共有することができる、と言われています。
そこで、他国からもクリーンな姿勢を見せるために、東日本側の国家権力者は、世界的に重要な役割を担うことになった西日本に住む国民の名前もグローバルに英語にしよう、と考えたのでした。
この条件を渋ったら東京に設置権が奪われると思った西日本側は、この大きな条件をやむなく受け入れることになりました。
…
これが現在、日本人や日系人が人によって日本名を名乗ったり英名を名乗ったりしている経緯です。
本記事の序盤に書いたキャラクター名ですが、これらのキャラクターで説明すると、フェズルいわばリュウゾウ・タウンフィールドは、神戸市出身ですが、神戸市は西日本にあるため生前名が英名であるということが分かります。
一方で、唐紅晴雄は、中部地方の出身であるため、東日本の住民ということで、以前のまま日本名を名乗っているということになります。
日系ドリル島国民のなかにも、先祖や自身が生まれた時期・ドリル島に移住した時期にもよりますが(特安保日本支部が設置されてまだおよそ半世紀ほどしか経っていないため)、日本名の日系人もいれば英名の日系人もいます。
【あとがき】
以前からドリソスをご存知な方もいらっしゃると思いますが、このような名前のシステムを今まで詳しく説明してこなかったので、今回この場で語りました。
設定を殆ど文章化できておらず、今まで脳内に設定を叩き込んでいたため、拙い文章になっているかも知れませんが、ここまで読んで頂きありがとうございました。
0コメント